松乃木大明神
私は犬も猫も好きなんですがどちらかというと猫派ではないでしょうか。造形的にも性格的にも猫が好きです。私の住んでいる大阪市西成区萩之茶屋2丁目(阪堺電車今池駅付近)から徒歩5分もかからない場所に猫の神社があります。ちょうど今池本通りから北へ少し外れた場所、住所で言えば西成区太子2丁目の入り組んだ民家に囲まれてひっそりと佇んでいる神社です。松乃木大明神(まつのきだいみょうじん)と言います。西成区に住んでいる人でも釜ヶ崎に住んでいる人でも知っている人は現在では多くいないのかもしれません。そのくらいあまり知られていないようです。
三味線の原料になっていた猫の供養のために建てられた神社で、明治34年(1901年)に天王寺公園内からこちらに移されたと言われています。境内には三味線の胴の形をした猫塚があります。当時この付近にはたくさんの芸者や芸人が住んでいて、三味線は芸事に欠かせないものであったため、その猫の供養のため遊芸関係者によってこの猫塚は建てられたそうです。拝殿の横には江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎の作者、近松門左衛門の碑もあり「平安堂近松巣林子信盛碑」と刻まれています。平安堂や巣林子は近松門左衛門のペンネームだそうです。
私は特掃の仕事がお休みの日にはよく萩之茶屋商店街を東に進み堺筋を横断して今池本通り、飛田商店街、動物園前商店街を抜け国道43号線を横断しジャンジャン横丁を抜け新世界から堺筋を南下するコースを散歩します。この散歩コースのゴールが松乃木大明神です。訪れると、鳥居の脇に1匹の猫がいました。鋭い視線でこちらを睨んでいる。思わずiPhoneを取り出して写真を撮影してみました。