第53回釜ヶ崎越冬闘争 お礼参り

船谷 光雄
釜ヶ崎越冬闘争
このカテゴリ一覧を見る
0
コメントの投稿

1月5日、第53回釜ヶ崎越冬闘争の締めくくりと言えるお礼参りが行われました。お礼参りとは、越冬闘争をやり切り1人の餓死、凍死者も出さなかったことをアピールし大阪市・大阪府に対して新たな要望書を提出する行事で、釜ヶ崎実行委員会及び釜ヶ崎越冬闘争にとってとても大事なものです。午前8時、西成区萩之茶屋にある萩小の森に集結し、釜ヶ崎地区内をデモ行進。腹ごしらえをして「勝利号」に乗って大阪市役所・大阪府庁に出向きシュプレヒコールとともに要望書を渡します。

2023年1月5日

大阪府知事 吉本洋文 様

要望書

第53回釜ヶ崎越冬闘争実行委員会
代表 山田實
釜ヶ崎就労・生活保障制度の実現を目指す連絡会
共同代表 本田哲郎・山田實・山中秀俊

コロナ禍は依然続いており、仕事を失い生活困窮に至った人々が多数存在しています。「あいりん地区」における求人も労働センターの建て替えによる閉鎖とそれをめぐる裁判の進行の遅延により業者の釜ヶ崎離れが進行し、仕事を求めて地域にやってくる人々のニーズを満たすことができていません。一方では円安誘導の施策の失敗とコロナ禍や戦争による物流の停滞によって円安が急速に進み、諸物価の高騰が困窮する労働者の生活をさらに圧迫しています。

こうした中、仕事による収入や失業による無収入を一時的に補いうる国・自治体による就労機会の確保が必要であると考えます。仕事を通しての収入であれば、債務不履行責任が残ってしまう貸付のように、将来において社会的排除を強めてしまうようなこともありません。今こそ国全体で、釜ヶ崎の高齢労働者の就労機会の確保として実施されてきた特別清掃事業のような就労対策を行い、社会的就労制度/生活保障制度として実現すべき時が来ています。

コロナ禍によって、新たに困窮に至る者の数が拡大しつづける中、コロナ禍以前より生活保護法や生活困窮者自立支援法、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法による施策では捕捉しきれず、長期に高齢となってホームレス状態で生活する層が一定数存在してしまっていることに対しては喫緊に対策を練り直すべきであると考えます。実際に仕事と住まいの安定につながるシームレスな(はざまのない)生活保障の制度を、各法の柔軟な運用を通して模索していくことが大阪府・大阪市の重要な役割であり、そうしたモデルの構築をもって国の施策を動かしていくことが今、求められているのではないでしょうか。

こうした観点から「あいりん地域まちづくり会議」センター建て替え検討部会で議論を積み重ねてきた建設日雇求人に特化しない、あらゆる就労困難者を対象とすることができる新労働センターの一刻も早い建設・運用が望まれています。と同時に、西成特区構想で進められている「あいりん地域」のエリアマネジメントにおける旧あいりん総合センター北側エリアについては、にぎわいづくりにのみ重点を置くのではなく、今回のコロナ禍のような社会・経済・生活の危機、南海トラフ地震等の災害、リーマンショックのような経済危機に対して、人の生命と社会参加を支える都市機能の中核エリアとしての役割を果たしうるよう計画を十分に練っていく必要があります。歴史的地理的に形成されるサービスハブ(現在の釜ヶ崎)から一歩進んで、災害や危機に対するレジリエンス(回復力)が施策によって強化・集中している地域は、大都市の機能維持・再活性化のために重要であるという認識のもと、釜ヶ崎の就労対策、ホームレス状態で生活する者への支援、生活の困窮に至った者や多様な生きづらさをかかえ福祉的支援を必要とする者に対する施策を再調整・強化いただきますようお願いいたします。

以下、要望いたします。

  1. 特別清掃事業を大幅に拡充してください。
    1. 特別清掃事業で、月13日以上働けるようにしてください。
    2. 1994年から据え置きとなっている特別清掃事業の賃金を、この間の最低賃金の上昇、物価高騰に対応して、改定してください。
    3. 特別清掃事業以外に高齢者の従事できる仕事がいまだできていませんが、西成労働福祉センター、大阪ホームレス就業支援センターとの協力体制のもと、釜ヶ崎の労働者やホームレス状態で生活する者のために開拓・確保する具体的な指針・方策を示してください。
    4. 上記1.~3.の対策の推進により、釜ヶ崎の高齢労働者の月あたりの収入が、最低賃金×月平均労働時間(166,600円)に近づくようにしてください。

      *ちなみに、この166,600円というのは医療費、税金などを考慮すれば「健康で文化的な生活水準を維持するための最低限度」の生活を保障する生活保護法の支給額とも重なり合う金額であり、それを一般の月平均労働日数22日で割れば約7,500円となります。7,500円が「健康で文化的な生活水準を維持するための最低限度」の生活をするための日給額となります。

  2. 55歳未満の不安定労働者への就労対策を拡充してください。
    1. 常用就職に向かうためには、賃金支給日までの生活費、職場までの交通費、携帯電話代等が必要ですので、就労機会を提供することにより、収入を得て、貯金を作ることができるようにしてください。
    2. 1.を可能とするため、府有施設・府営公園・府民の森、市有施設・市有地等において、就労機会の提供を行ってください。
    3. さまざまな経験や将来への希望をもつ不安定労働者に寄り添った支援をおこなうため、あいりん地域不安定労働者就労自立支援事業の協力企業を増やしてください。

以上

2023年1月5日

大阪市長 松井一郎 様

要望書

第53回釜ヶ崎越冬闘争実行委員会
代表 山田實
釜ヶ崎就労・生活保障制度の実現を目指す連絡会
共同代表 本田哲郎・山田實・山中秀俊

コロナ禍は依然続いており、仕事を失い生活困窮に至った人々が多数存在しています。「あいりん地区」における求人も労働センターの建て替えによる閉鎖とそれをめぐる裁判の進行の遅延により業者の釜ヶ崎離れが進行し、仕事を求めて地域にやってくる人々のニーズを満たすことができていません。一方では円安誘導の施策の失敗とコロナ禍や戦争による物流の停滞によって円安が急速に進み、諸物価の高騰が困窮する労働者の生活をさらに圧迫しています。

こうした中、仕事による収入や失業による無収入を一時的に補いうる国・自治体による就労機会の確保が必要であると考えます。仕事を通しての収入であれば、債務不履行責任が残ってしまう貸付のように、将来において社会的排除を強めてしまうようなこともありません。今こそ国全体で、釜ヶ崎の高齢労働者の就労機会の確保として実施されてきた特別清掃事業のような就労対策を行い、社会的就労制度/生活保障制度として実現すべき時がきています。

コロナ禍によって、新たに困窮に至る者の数が拡大しつづける中、コロナ禍以前より生活保護法や生活困窮者自立支援法、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法による施策では捕捉しきれず、長期に高齢となってホームレス状態で生活する層が一定数存在してしまっていることに対しては喫緊に対策を練り直すべきであると考えます。実際に仕事と住まいの安定につながるシームレスな(はざまのない)生活保障の制度を、各法の柔軟な運用を通して模索していくことが大阪府・大阪市の重要な役割であり、そうしたモデルの構築をもって国の施策を動かしていくことが今、求められているのではないでしょうか。

こうした観点から「あいりん地域まちづくり会議」センター建て替え検討部会で議論を積み重ねてきた建設日雇求人に特化しない、あらゆる就労困難者を対象とすることができる新労働センターの一刻も早い建設・運用が望まれています。と同時に、西成特区構想で進められている「あいりん地域」のエリアマネジメントにおける旧あいりん総合センター北側エリアについては、にぎわいづくりにのみ重点を置くのではなく、今回のコロナ禍のような社会・経済・生活の危機、南海トラフ地震等の災害、リーマンショックのような経済危機に対して、人の生命と社会参加を支える都市機能の中核エリアとしての役割を果たしうるよう計画を十分に練っていく必要があります。歴史的地理的に形成されるサービスハブ(現在の釜ヶ崎)から一歩進んで、災害や危機に対するレジリエンス(回復力)が施策によって強化・集中している地域は、大都市の機能維持・再活性化のために重要であるという認識のもと、釜ヶ崎の就労対策、ホームレス状態で生活する者への支援、生活の困窮に至った者や多様な生きづらさをかかえ福祉的支援を必要とする者に対する施策を再調整・強化いただきますようお願いいたします。

以下、要望いたします。

  1. 特別清掃事業を大幅に拡充してください。
    1. 特別清掃事業で、月13日以上働けるようにしてください。
    2. 1994年から据え置きとなっている特別清掃事業の賃金を、この間の最低賃金の上昇、物価高騰に対応して、改定してください。
    3. 特別清掃事業以外に高齢者の従事できる仕事がいまだできていませんが、西成労働福祉センター、大阪ホームレス就業支援センターとの協力体制のもと、釜ヶ崎の労働者やホームレス状態で生活する者のために開拓・確保する具体的な指針・方策を示してください。
    4. 上記1.~2.の対策の推進により、釜ヶ崎の高齢労働者の月あたりの収入が、最低賃金×月平均労働時間(166,6000円)に近づくようにしてください。

      *ちなみに、この166,6000円というのは医療費、税金などを考慮すれば「健康で文化的な生活水準を維持するための最低限度」の生活を保障する生活保護法の支給額とも重なり合う金額であり、それを一般の月平均労働日数22日で割れば約7,500円となります。7,500円が「健康で文化的な生活水準を維持するための最低限度」の生活をするための日給額となります。

  2. 55歳未満の不安定労働者への就労対策を拡充してください。
    1. 常用就職に向かうためには、賃金支給日までの生活費、職場までの交通費、携帯電話代等が必要ですので、就労機会を提供することにより、収入を得て、貯金を作ることができるようにしてください。
    2. 1.を可能とするため、府有施設・府営公園・府民の森、市有施設・市有地等において、就労機会の提供を行ってください。
    3. さまざまな経験や将来への希望をもつ不安定労働者に寄り添った支援をおこなうため、あいりん地域不安定労働者就労自立支援事業の協力企業を増やしてください。
  3. 野宿に陥ることを防ぎうる生活保障の仕組みを作ってください。
    1. 高齢かつホームレス状態で生活している者が、迅速にホームレス状態から脱け出せるように住まいの維持を可能とする手当の支給を行ってください。
    2. 生活保護制度を柔軟に運用し、ホームレス状態で生活する者ひとりひとりの要望や置かれている状況を総合的に判断し、各扶助の単給も行ってください。
    3. 生活困窮者自立支援法、生活保護法、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法に基づき、ホームレス状態で生活している者・住まいが不安定な状態にある者への支援を継ぎ目なく行えるように、各機関の情報共有の仕組みを整え、申請方法が簡略となるようにしてください。また全体の支援の流れを再調整し、当事者がたらい回しに遭って必要な支援から遠ざかってしまうことがないようにしてください。
  4. 旧あいりん総合センター北側エリアで建設が検討されている福利・にぎわい施設について、もともとこのエリアを拠り所としてきた釜ヶ崎の労働者・生活保護受給者、また社会参加機会を必要とする大阪市内の生活困窮者等も活用しやすい施設となるよう社会的包摂に配慮してください。
    1. 建設される施設の建設・管理を行う事業者が、地域の労働者・生活保護受給者、また大阪市内の生活困窮者に、ステップアップに資する活動、有償の軽易な作業等を管理業務等の中から切り出して提供するとともに、継続的に年度ごとの目標を設定し、行政・地域団体と協議しながら進めていくようにしてください。
    2. 路上、公園、河川敷等で野宿をしている者だけでなく、仕事と住まいが不安定な生活をしている者は、ネットカフェ、簡易宿所、寮等に存在しているので、巡回相談の業務を改編しつつ、総合的な相談対応を果たしうる入口機能を、北側エリアを軸に構築してください。またヨリドコオンラインなど地域で創出されてきているライン相談等との連携が可能となるようにしてください。
    3. 旧あいりん総合センター北側エリアの福利・にぎわい施設と近接するあいりんシェルターの日中の居場所棟を利用者のニーズ・属性に応じた使い分けの方法を明らかにし、エリアとして一体的に活性化を進めてください。
  5. あいりん貯蓄組合清算業務終了に伴い残存した預金を、釜ヶ崎の労働者の生活保障に還元する措置を行ってください。
  6. ホームレス状態で生活している者・住まいが不安定な状態にある者が発熱、コロナなどにり患した場合に直ちに利用できる待機場所、緊急の宿泊が可能な場所を市の責任で作ってください。

以上

SHARE

コメント 0

There are no comments yet.

トラックバック 0

釜ヶ崎越冬闘争